地域におけるスポーツイベント(マラソン大会、バスケ・バレー・サッカーの大会、ロードレース、自治体主催のスポーツフェスなど)は、
いま最も 費用対効果(ROI)が高い“地域活性化の打ち手” として注目されている。
なぜなら、一般的な観光施策と比較し、
-
来訪者数が増えやすい(参加=必ず移動する)
-
宿泊・飲食・交通など地域経済に直結する消費が増える
-
季節イベントより“波及効果”が大きい
-
SNS発信による“副次的露出”が異常に伸びる
-
地域の住民満足度(参加型イベント)が上がる
という、“自治体・地域”の課題を一気に解決する力を持っているからだ。
本記事では、地域スポーツイベントがもたらす経済効果を、
①直接効果 → ②間接効果 → ③誘発効果 → ④無形効果 → ⑤DX効果
の5つに分けて分析し、自治体がどのように企画・運営すれば成果が最大化するのかを、最新事例をもとに体系化する。
【第1章】地域スポーツイベントの経済効果とは?
スポーツイベントの経済効果は、一般的に以下の3分類で構成される。
- ■ ① 直接効果(Direct Impact)
- ■ ② 間接効果(Indirect Impact)
- ■ ③ 誘発効果(Induced Impact)
- 理由①:滞在時間が長い
- 理由②:同行者(応援)数が多い
- 理由③:参加者は“情報発信者”(UGC)になりやすい
- 理由④:毎年開催で“効果が積み上がる”
- ■ マラソン・ランイベント
- ■ サイクルイベント(ロングライド)
- ■ トライアスロン
- ■ 球技大会(バレー・バスケ・サッカー等)
- ■ 地域独自競技/文化系スポーツ
- ① 成功事例:都市型マラソン(全国各地での共通パターン)
- ② 成功事例:サイクルイベント(瀬戸内・日本海側)
- ③ 成功事例:スポーツ×祭り型(地方都市)
- ④ 成功事例:地域独自競技(ローカルスポーツ)
- ■ 施策① モデルコース化(観光と連動)
- ■ 施策② 二次交通の改善
- ■ 施策③ 宿泊施設の検索導線を統一
- ■ 施策④ SNS広告で“情報の入口”を作る
- ■ 施策⑤ SNS×UGC導線(自然露出が爆増)
- ■ 施策⑥ 会場フォトスポット設置(必須)
- ■ 施策⑦ “翌年の申込”をイベント中に告知する
- ■ 測定すべき指標
- ■ KPI例
■ ① 直接効果(Direct Impact)
イベントに参加する人が、地域で実際に使う消費のこと。
● 主な内訳
-
宿泊費
-
飲食費
-
交通費(バス・タクシー・鉄道)
-
お土産・物販
-
参加費(エントリー料)
-
会場・出店での買い物
参加人数がそのまま“消費額”になるため、計算しやすく、最初に説明しやすい。
■ ② 間接効果(Indirect Impact)
参加者の消費によって、地域事業者の売上が増え、
事業者が仕入れ・人件費などに支出することで起こる波及効果。
■ ③ 誘発効果(Induced Impact)
事業者が収益増を背景に
-
値上げしない
-
設備投資を行う
-
雇用を増やす
など、地域の経済循環が“持続する効果”。
▶ 財政担当者に説明する時の鉄板文句
「スポーツイベントは、参加者の“確実な移動・宿泊・飲食”を伴うため、
観光客より地域経済効果が計算しやすく、説明しやすい施策です。」
【第2章】スポーツイベントは“観光イベント”より効果が高い理由
理由①:滞在時間が長い
一般観光客より 1.4〜1.8倍滞在時間が長いことが多い。
特に
-
前日入り
-
朝の受付
-
夕方の撤収
があるため、自然と宿泊率が上がる。
理由②:同行者(応援)数が多い
参加者+応援者=消費が増える。
家族・友人同行が多いため
飲食(単価×人数)が増える傾向が強い。
理由③:参加者は“情報発信者”(UGC)になりやすい
走る様子、会場の写真、ゼッケン写真など、
SNSに“自然発生的に投稿されやすい”。
自治体目線では
広告費ゼロでの露出=最大のメリット。
理由④:毎年開催で“効果が積み上がる”
スポーツイベントは、
「継続性=資産」
であり、リピーター率が高い。
観光イベントは毎年“内容が変わる”が、
スポーツイベントは
毎年同じ行為(走る・観る・応援)
なのでファン化しやすい。
【第3章】地域スポーツイベントの主要ジャンルと効果の違い
■ マラソン・ランイベント
-
最も参加人数が多い
-
宿泊・飲食への波及が最大
-
行政の“まち歩き”導線と相性が良い
-
スポンサーを広く取りやすい
■ サイクルイベント(ロングライド)
-
滞在時間が長い
-
回遊性が高く広域連携と相性が良い
-
地域の風景・海山エリアと親和性あり
-
SNS投稿率が高い
■ トライアスロン
-
富裕層の参加者が多く、消費単価が非常に高い
-
海・湖・山など自然資源のある地域が強い
-
宿泊+飲食が平均以上
■ 球技大会(バレー・バスケ・サッカー等)
-
家族帯同が多く“飲食・買い物”効果が大きい
-
体育館・スタジアム周辺の回遊が伸びる
-
学生イベントは“平日滞在”が増える
■ 地域独自競技/文化系スポーツ
-
地域ならではの資源(祭り・伝統行事)が“スポーツ化”されるパターン
-
観光要素が強く、SNS映えしやすい
-
来訪者の“地域ファン化”が加速する
【第4章】地域スポーツイベントの成功事例(構造で理解する)
ここでは「成功したイベントに共通する構造」をまとめる。
① 成功事例:都市型マラソン(全国各地での共通パターン)
成功地域の共通点
-
コースが“観光地を通る”
-
駅・宿泊から会場までの導線がスムーズ
-
ボランティア体制が強固
-
フォトスポット・SNSスポットが多い
-
前日イベント(EXPO)で滞在時間UP
最強の武器は、前日入りの宿泊増加。
② 成功事例:サイクルイベント(瀬戸内・日本海側)
広域連携が最大の特徴。
-
3市町村以上でコース設計
-
海沿い・山沿いの絶景ルート
-
休憩ポイントに地域物産を配置
-
ゴール地点で“物販ブース”が繁盛
-
SNS投稿の拡散が大きい
“広域で客を取り合わない”のが成功の秘訣。
③ 成功事例:スポーツ×祭り型(地方都市)
-
スポーツ大会+マルシェ
-
子ども体験エリア
-
地域音楽フェス
を組み合わせる。
家族層・職場仲間が参加しやすいため、
消費が横に広がり“1人あたり経済効果”が大きくなる。
④ 成功事例:地域独自競技(ローカルスポーツ)
例:
-
ご当地スポーツ
-
雪国の特有競技
-
山岳トレッキングイベント
など。
希少性が高いため、SNS上で“バズ”が起きやすい。
【第5章】スポーツイベントの経済効果を最大化する7つの施策
■ 施策① モデルコース化(観光と連動)
大会参加者の多くは“観光もセット”にする。
よってPRでは必ず
「+観光」を提示することが重要。
■ 施策② 二次交通の改善
-
バス
-
オンデマンド交通
-
シャトル便
二次交通が改善されるだけで、
回遊性が2倍近く跳ね上がるケースもある。
■ 施策③ 宿泊施設の検索導線を統一
ホテル検索リンクを
-
LP
-
SNS
-
案内文書
に統一することで、CVRが急上昇する。
■ 施策④ SNS広告で“情報の入口”を作る
広告メニューの黄金比率:
-
Reels:軸
-
ストーリーズ:補完
-
フィード:回遊誘導
Meta広告の“旅行意向者ターゲティング”が特に強い。
■ 施策⑤ SNS×UGC導線(自然露出が爆増)
イベント名のハッシュタグを決める。
例:
-
#●●マラソン
-
#走れ●●
-
#瀬戸内ライド
UGCを拾って紹介するだけで、
広告費ゼロでも新規露出が増える。
■ 施策⑥ 会場フォトスポット設置(必須)
参加者は写真を撮りたい。
自治体ロゴ・地名・モニュメントは必ず置く。
■ 施策⑦ “翌年の申込”をイベント中に告知する
その場が最も熱量が高い。
翌年の参加者確保に直結。
【第6章】スポーツイベントの経済効果の測り方(EBPM)
自治体の説明資料では、以下を数字で示すと説得力が高い。
■ 測定すべき指標
-
参加者数
-
宿泊者数
-
県外参加者比率
-
参加者の平均消費額
-
イベント前後の観光回遊
-
SNS投稿数(UGC)
-
予約データ
-
二次交通利用数
-
地域事業者の売上
■ KPI例
-
宿泊数の増加:前年+25%
-
参加者の回遊スポット数:2.3か所 → 3.1か所
-
二次交通利用率:15% → 28%
-
SNS投稿数(#イベント名):500件 → 1200件
-
飲食部門売上:前年比+18%
【第7章】スポーツイベントは地域経済の“成長装置”
スポーツイベントは、
観光×文化×交通×物産×飲食×SNS
すべてをまとめて動かす
“総合的な地域経済装置” と言える。
単発のイベントではなく、
“毎年積み上がる地域資産”となり、
地域ブランドの強化にもつながる。
【まとめ】
スポーツイベントは、地域施策の中でも
最も即効性があり、最も持続的で、最も経済効果が高い。
成功の鍵は次のとおり。



コメント