ーリクルートエージェントの実際の転職と“失敗例”から学ぶー
転職市場が活発な昨今、転職エージェントを活用する人はますます増えています。中でも「リクルートエージェント」は圧倒的な知名度と実績を誇り、多くの転職希望者が登録しています。
一方で、実際に使ってみると「期待外れだった」「希望とまったく違う求人ばかり紹介された」という声も少なくありません。
本記事では、リクルートエージェントの“強さ”の実態とともに、担当者の力量によっては失敗することもある実例を紹介し、賢く使いこなすためのポイントを解説します。
◆ リクルートエージェントとは何者?
リクルートエージェントは、株式会社リクルートが運営する日本最大級の転職支援サービスです。
公開・非公開を含めた求人件数は30万件以上とされ、20代〜40代のビジネスパーソンを中心に多くの利用者がいます。
主な特徴:
-
非公開求人の保有数が業界最多クラス
-
全国対応+業種職種の幅広さ
-
キャリアアドバイザーによる書類添削・面接対策
-
サポートツールが豊富(職務経歴書エディター、面接力診断など)
◆ 本当に「転職に強い」のか?
実績だけ見れば“転職に強い”のは確かですが、誰にとってもベストなエージェントというわけではありません。
特に、担当者との相性や経験値によって満足度が大きく左右される点は、あまり知られていない落とし穴です。
◆ 実例紹介:「大手だから信頼したのに…」
ここで、実際にリクルートエージェントを利用した30代の男性(仮名:Tさん)のケースを紹介します。
■Tさん(32歳・都内勤務)
広告代理店で営業職として7年勤務。過重労働と業界体質に限界を感じ、**「無理なく働けるホワイト企業のマーケティング職」**を希望してリクルートエージェントに登録。
当初、担当となったエージェントは若手で、Tさんの希望業界に明るいとは言えず、面談も30分ほどで終了。
その後紹介された求人は、希望していたマーケティング職ではなく、なぜか再び広告営業やルートセールスが中心。
Tさんが「営業は避けたい」と何度伝えても、「未経験からのマーケは難しい」と言われ、求人内容は一向に変わらず。
しかも「この会社はTさんに向いてますよ!」と紹介された企業は、ブラック企業として有名な企業で、口コミサイトでも評判が悪い企業ばかりだったといいます。
「結局、エージェントに勧められるまま受けた企業はすべて不採用。最終的には自分でdodaやGreenから応募して、別ルートで転職先を決めました」
Tさんは最終的にリクルートエージェントとの連絡を絶ち、自力で転職を成功させたそうです。
◆ なぜこうした“ミスマッチ”が起きるのか?
◉ 担当者の経験不足
大手であるがゆえに担当者の数も多く、中には新卒や異業種から異動したばかりのアドバイザーが配置されることもあります。
当然、業界知識が浅く、希望に即した求人を見極める力が不十分なケースも。
◉ ノルマ重視の文化
一部では、KPI(紹介数・応募数・決定数)優先の営業的な姿勢が問題視されることも。
求職者の本音よりも「今、決まりやすい案件」に誘導されることもあるため、情報の見極めが必要です。
◉ 求職者の準備不足
また、エージェント任せにしていると、「本当に何がしたいのか」が曖昧なまま求人を紹介されてしまうこともあります。
◆ リクルートエージェントを使いこなすための対策
① 担当変更を恐れない
担当者と合わないと感じたら、遠慮なく「担当変更」を依頼しましょう。リクルートエージェントでは公式に対応してくれます。
納得できないまま活動を続けても、時間の無駄になってしまいます。
② 自分でも情報収集する
エージェントに頼りきりではなく、自分でも企業研究や求人検索を並行して行いましょう。
doda、マイナビ転職、Green、Wantedlyなどとの併用がおすすめです。
③ 希望条件は具体的に
「ホワイト企業がいい」「マーケ職がいい」など漠然とした希望ではなく、年収、業務内容、勤務地、残業時間、働き方の希望などを明確に伝えることが、ミスマッチを減らします。
④ 面談では受け身にならない
アドバイザーは一日に多くの求職者と面談しています。「紹介されるのを待つ」だけでなく、積極的に希望や意思を伝えることが大切です。
◆ まとめ:リクルートエージェントは「使い方次第」
リクルートエージェントは、確かに日本最大級の求人数を持ち、多くの転職成功者を生んできた実績あるエージェントです。
しかし、担当者のスキルや相性、使う側の姿勢によっては「うまくいかない」こともあるのが現実です。
信頼しすぎず、依存しすぎず、情報を見極めながら**“一つの手段”として活用する視点**が必要です。
失敗しない転職を実現するためには、「複数の選択肢を持ち、常に自分の意思を明確にする」ことこそが最大の武器になります。
「転職はエージェント任せで決まる時代」ではなく、「自分で動いて情報を取る時代」。
大手エージェントを“上手に使いこなす”ことが、理想のキャリアを実現する近道かもしれません。
コメント